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待機室が併設してある営業所は白を基調にしてるという。
「コンパニオンになろうとしている人たちが、こういうお店に行きつくって、いろいろあると思うんですけど、
世間一般に暗いイメージじゃないですか。だから暗くしたくなかったんですよね。
白い壁にしたくて。昼間も窓も開けてて。
あんまり暗くて汚いかんじにはしたくないかなって。このビルも上が病院だから、ビルに入ることにも抵抗はないだろうし」
最近改装したという4Cのお店で店長を務めるのは羽田みよりさん、30才。中学生のお子さんがいる。
「最近、30歳になりました。モアグループの入社は7年くらい前。22、3歳くらいで入社しました。
20歳から3年くらい水商売をしていて、子供の入園を機に昼間働きたいなと思って、探していたんですけど。
その当時はどうしても保育園のある駅の近くで働きたくて。
場所で絞って仕事を探していたら最初務めたお店の人手に空きがあったんですね。
きっかけは、水商売をやっているときに、「昼間働こうと思ってるんだよね」とお酒の席で言ったら
「なんの仕事するの?」って話になって。そこからいろんな職種を伺って、検索してみたんですね。
この会社にもあんまりどういうことやるかとか、全然わからずに入ってきて。
面接の時、面白かったのが、本部に面接に行ったんですけど
申込フォームに多分「この仕事の経験がありますか・ありませんか」っていう項目があって
私、あんまりよくわかってない区別もついてなくて。たぶん「あります」と書いたのかもしれないんですけど、
面接をした人から「コンパニオンさんに戻る気はありませんか」って言われて。
よくわからなかったので「ありません」と言って(笑)やっぱりそういう世界なのかなっていう怖いのもあったけれど(笑)
でもそのままの流れで希望の店舗へ採用されて、「普通の会社なんだ」って。
そこから最初のお店で、1年2、3ヶ月働きました。最初にいた女性の方にマンツーマンで仕事を教えて頂いて。
その方すごいベテランの方だったので。結構すぐ仕事も覚えて。その方はすごい良い方だったんで、やりやすかったです。
当時、延長保育が20時だったので保育園近いお店を選んだんですけど、そのお店が19時までだったので、
とくになにかこう出勤時間的に困るということもなかったですね。やっぱり周りにも頼ったりとか。
でも、たぶんそれはどこに勤めてても一緒だと思います。」
「2年半くらい前、今のお店です。当時、色々会社が動いた時期だったんですね。社長から「やってくれないかな」って。
……うーん、なんでしょうね。やっぱり社長のことをとても尊敬していて。この業種だからとかではなく、社会人として、
会社とは、仕事とは……そういうことを教えて頂いた人は初めてだったので、
社長が任せてみようって思ってくれてるなら、まあがんばってみようかなっていうふうに思った…かな(笑)
当時は、社長といちスタッフが話す機会っていうのはほとんどなくて。
私が仕事をしている姿とか、少ない時間でちゃんと見てくれてるんだなって思って。そこは今でも変わらないんですけど(笑)
私からすると、社長はなんでも答えを出してくれる人なんですよ。
仕事でもプライベートなことでも、難しいところもなんでも答えをくれる人なので。
決定権があるとかじゃなくて、本当にストンと自分の中に入るもので。
本当にその場で即答できないことを聞いても「ちょっと時間頂戴」って言って、必ず答えをくれて。
本当単純なこと質問でも、自分が生活しているうえで困っていることでも、必ず答えが返ってくるって言うのはすごいなと。
意見も聞いてもらえるし、答えが返ってきて「私はこう思うんですけど」っていうと
「ああ、そういう考え方もあるよね」って意見も聞いてくださるし。
社長は、もうなんか、目指すこともないですけど、そういう人ってすごいなって思うんですよね。
私は小さな時から不器用で…(笑)何事もなんですけど。そうなんですよね。
美術系とかも全然だめだったし、細かい作業も得意じゃなかったですし。
昔から努力してもできないって感じの子供でした。働いている今もなんですけど、
私本当に会社の中で何かに秀でていることって本当に何にもなくて。
写真とか、コメントとか、お客様に対しての売り出しとか、そういうことももっと長けているスタッフさんはいっぱいいるし。
なぜ店長なのかって聞かれたときに、これができるからっていうのは、本当にあんまりなくて…。
店長になったときも。本当にこれっていうものが無いなかで、色々考えました。なんで社長は私を店長にしようと思ったんだろうとか。ただお店にいる期間が長いからとか、たぶんそういう理由じゃないんだろうなって思った時期もあったんですけど。
社長の考え方的には「店長になった瞬間から店長になるわけではなくて、店長になった時から店長に向けて勉強が始まるから。だからそういうつもりで頑張ってくれればいい」って。ただその、さぼらないで頑張ってます、2年間(笑)
ただそこだけなんですよね。スタッフさんとか、社長とかもきっと。とりあえず何事も頑張って取り組もうとか、
自分に知識が足りないなって思ってみたら本を読んでみたりとか。
なんか、そういう努力を認めてもらえてるのかなと思うんですけど。
あんまり得意なことがなくて、人事とかを会社で決めるときに、社長もたぶん組み立てやすいのかわからないですけど。
私にないものを補ってくれるじゃないですけど、そういう人事にして頂いているというか。」
羽田さんの働く「4C」の会社情報はコチラ
「通勤は1時間20分くらい。朝起きて犬の散歩をして、朝ごはんつくって、学校送り出してから仕事きます。
子供は今中学生ですね。私が店長になった時は小学生の時でした。
今仕事は9時から19時まで。
遅番のスタッフさんがお休みの時は、遅番で14時から24時まで働きます。
休みの日は子供がスポーツをやっていて、クラブチームに入りたいといって頑張っていたので、
土日は試合だったりとか。休みは結構そっちに行ってましたね。
ただ、やっぱり仕事もどうしても土日休みじゃない週もあるので、そういうときは自分の親だったり、
同じチームのお母さんとかが連れていってくれたりとかしているんですけど、
自分の休みが合うときはなるべく自分で行こうと思って。
すごいやんちゃなんですけど、家とか私に対しては優しい子で。外で問題起こしてくるかんじです(笑)
うちはたまたま両親がいて、元気で時間もあったので。見てくれる人がいたっていうのは大きかったと思います。
ただ保育園に入るまでは、普通の仕事はできないかなって思って、子供寝かせてから夜働きに行ってたんですけど。
モアグループに入ってからは、とくに大変とかはないです。どうしても休みがほしい日は前もってお休みも頂いていますし。
子供にも寂しい思いはさせたんじゃないかと思って。母子家庭なので働かないとどうしようもないですし。
たぶん世間一般的に父親みたいな役割なんだろうなと思ってます。
ただ働く原動力はそこなので大切にしてこうかと思ってます。
同じような境遇で働いている女性の方からもお子さんのご相談って多いので、
自分が経験してきたことでなにかできることがあれば。助言じゃないですけど、ご相談に乗ったりとか。」
「求人的には、他のお店でも、他のグループでも、なかなか女性店長はいらっしゃらないみたいで。
とくに今、うちのお店はほとんど女性スタッフで運営しているので。男性は一人だけ。
うちの会社だと女性の方が強いかんじ(笑)男女差でどちらのほうが仕事にまじめかと言われれば、
そうとは言い切れないところもあるんですけど、たまたまなんですかね、強め系女子がうちによく入るという…(笑)
面接は社長と一対一で行います。
社長はまっとうに、がんばろうって思ってる人に役職をあげたいと思う人だと思うので。
会社のことは社長と部長が決めて、お店のことは店長が決める。縮図がけっこうしっかりしています。
女性が多いと、働く女性がやっぱり安心できるんじゃないかなと。
それがいいか悪いかは、まだわからないところもありますけど。
ネイルや服装が自由。そういう部分はいいですね。なかなかないと思います(笑)
写真をとる時は動くので、基本的にラフなスタイルの人が多いです。
新しく入ってくる人は、男女どちらでもいいですね。やっぱり男性にしかできないこともあるだろうし。
ただ、女性だけの事務所を一度作ってみたいという野望が私にはあるので(笑)
野望は野望のままで終わるかもしれないですけど(笑)
社長も意向は汲んで頂いてると思うんですけど、実現するかはまだわからないです。
色々問題もあると思いますし。でも、グループの中でもないので、ひとつそういう事務所があってもいいのかななんて(笑)
女性に入ってきてもらえれば嬉しいですね(笑)
うちの会社では産休をとって復帰して働いてるスタッフもいます。
ぎりぎりまで本人が働きたいという意向もあったので、2ヶ月くらいで復帰しました。
生まれる前から保育園も探して、もうそれから2年くらいですね。もともとそういう人がいなかったんですけど。
産休も実は会社になにも迷惑はかかんないんですよね。そういうことを社長と本部の方に調べてもらって。
そういうのも可能で、今後もきっと増えてくでしょうし。独身の女性が多いので。
結婚して、産休とって、戻ってきてくれれば嬉しいですね。
ただ、働きやすさは働きやすいですけど、実は長期休暇がむずかしい。
やっぱり休みの間、誰かが休めないとかではなくて、売上あげて、余裕的な人員を揃えて、休みをとれたらいいよねという。やっぱり結構、なんか、これは社長がどう思うかわかんないですけど、
人が足りないってなったら、グループの本部から助っ人が来てくれるとか (笑)
誰かの休みがとれないってことはなくなるように。
若い女の子、20代で独身で、お金も稼いでいてってなると、やっぱり普通の一般企業だと、旅行とかいくじゃないですか。
そういうのが楽しみだったりするのかなって部分を、とらせてあげれていない部分もあるので。
私達とか、店長とかになるとそれよりもお店のことを考えるので、長期的な休みをとっても…(笑)
やっぱり独身組はそういう楽しみがあってもいいのかなって。
彼女たちはやっぱりそういう楽しみをあげたいなと思うんですよね。
誰が休んでも通常通り営業もできて、売上もあがって、そういう会社になればうれしいですね。」
白く明るい部屋であること、小さな小物や、室内の雰囲気。
コンパニオンさんへ話す時の声、待機室の端々から働く人を気遣う様子が見えた。
「女性の多い店だから」ではなく「この人たちだから」気付き、実現できているお店。
それでも羽田さんには性別の境を越え、働く人の誰しもが共感や尊敬できるだろう、笑顔や思慮深さがある。
仕事へのひたむきな姿勢、年月と経験で得た安定感、些細なしぐさのひとつひとつから、
羽田さんが「店長」である理由を確かに知ることができた。
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